毎日イラついてばかり。
そんな俺とは対照的に、仁は笑っていた。
「大事な奴が出来た…守ってやりてぇって思ってる」
少し照れながらも真面目に話した仁。
守ってやりたい大事な奴…?
「何だよそれ」
気になった俺は、こっそり仁の様子をうかがった。
見なければ良かった。
そこには…今まで見たことも無いような、優しい目をした仁がそこにいた。
そしてその眼差しを注がれる1人の少女。
サラサラと揺れる黒髪に、白い肌…柔らかに笑う少女。
俺は彼女から目が離せずにいた。
ドクドクと脈打つ身体が熱くなる。
「何だ…コレ…?」
微笑みかける少女の髪を、仁が口元をゆるませ鋤く。
2人の姿を目にし、握った拳に力がこもる。