コンサートも終盤に近づいたころ、



圭悟が僕に近づいてきて、さりげなくアリーナ席を指差した。






……里奈ちゃんと光樹だ。



何であんなに近くにいたのに、気づかなかったんだろう……。




圭悟はやっぱりいいやつだから、締めるのはなしにしよう。




僕は意識して里奈ちゃんに手を振った。





……大翔に言われたこと、よく分かるんだけど、





……多分、僕は里奈ちゃんのことを好きになりかけてる。



一目惚れってやつかな。




これから自分の気持ちに上手く向き合っていけるのだろうか。





僕が不謹慎にもそんなことを考えていると、




「……皆さん、今日はありがとうございました!楽しんでくれましたか?」



大翔のその言葉で、我に返った。



……もう終わりかぁ。



「みんなの笑顔、眩しかったよ!」


圭悟のメッセージ。



「……また会おうね!!」



龍は相変わらずさっぱりしてる。



「……みんなに恋しちゃいそう!!」



卓哉は、お茶目な感じ。



そして、ステージには僕だけになった。