「ねぇ!ねぇ!りょうくんとしゃべっちゃった。あっ、大好きとか言っちゃったよ〜。」




良介が帰ったあと、里奈はずっとこんな調子だった。




「落ち着け、バカ。」




「……光樹ってすごい人だったんだね。」




俺の話すことは耳に入っていないらしい。




「……里奈。ちょっと俺の話を聞け。」




少し大きな声で言って、ようやく落ち着いて俺の目を見た。




「……誕生日おめでとう。」




「あっ、うん。ありがとう!」






「何か、良介のインパクトがすごくて、俺のこと忘れてそうだから……これは俺からのもう一つのプレゼント。」




俺はそう言って、紙袋を渡した。