その時、僕の携帯が鳴った。




「……ちょっとごめんね。」



僕はそう言って、電話に出る。




「はい、もしもし。」




「あぁ、良介。ごめんな、休みなのに。」




相手は、メンバーの大翔。



比較的、仲が良いほうだと思う。





「あのさぁ、ちょっと今度出すシングルで意見がなかなかまとまりそうにないから、悪いけど顔を出してくんないかな？」





「今から？」




「当たり前。じゃなきゃ電話しないし。」





僕たちは、全員それぞれが仲良しじゃない。



意見の不一致なんて日常茶飯事だ。




「……分かった。一時間ぐらいで戻るよ。」




「頼む。」




僕は、一つため息をついて電源を切った。