「なぁ、里奈も楽屋に連れていっていいか?」




僕がボーッとしていると、光樹がそんなことを尋ねてきた。




光樹はいつも、コンサート前に楽屋に来て、僕たちに差し入れをしてくれたりする。



「あ、うん……。里奈ちゃん、ちょっとチケット貸してくれる?」




「うん、はい。」




僕は、里奈ちゃんからチケットを受けとると、その裏に「山中良介」とサインをした。




「これで光樹と一緒においで。」




「えっ、えっ?『Cute Boys』に会える……?」




里奈ちゃんは僕と会ってから、ずっとパニック。




……本当に僕たちが好きなことがよく伝わってくる。