その時、携帯が鳴った。




「……もしもし。」




『あぁ、里奈。』




光樹が電話をしてくるのは珍しい。




いつも会いにくるから……。




『あのさ、今日は俺の家に来てくれないかな?』




「光樹の家に?」




……何でだろう。いつもお構いなしに私の家に来るのに。





「あぁ。今から来てくれると嬉しい。」




「……うん、分かった。」




私は、そう言って携帯を切った。




「光樹くん、何だって?」




千里はクッキーを食べながら私に問う。




「何か家に来いって。何でだろう……。」





「何かすっごいプレゼント、くれるのかもよ?」




千里はそう言って立ち上がった。




「じゃあ、私は帰るわね。」




「あっ、うん。プレゼントありがとうね!」




私はそう言って、千里を見送った。