~風戸side~


「ねぇ風戸くぅん、あたしお弁当作ってきたの♪食べて♪」


誰だこいつ?


見知らぬ女の弁当なんか食いたくねぇよ。


「いらねぇ。」


俺は迷わず突き返した。


「でも…、毎日買ったものじゃ、栄養偏るよ!?」


「余計なお世話。」


「酷いよ風戸くぅん…。明日はちゃんと食べてねっ♪?」


「無理。いらねぇっつってんだよ。邪魔だ。」


「……。」


女は渋々離れた。


化粧濃いし、香水くせぇ…。


「毎日大変だねぇ?モテ男は♪」


「うっせぇ雅斗。」


雅斗(まさと)は俺の親友。


結構顔が広い。


最近彼女と大ゲンカしたらしい…。


「で?今日も行くんだろ?」


「あぁ。ここにいると女達がうっせぇからな。」


「さすがモテ男くん♪言うことが違ぇな♪」


「お前のほうがモテんだろ。」


「ははっ♪ん、行って来いよ。早くしないと取り巻きが来るぞ。」


「あぁ。」


お前が引き止めたんだろ…。


まぁ、何はともあれ今日も屋上に行く…。