帆乃香と達也が屋上を出てから、しばらくあたしと大翔の間に沈黙が流れた。
何かしゃべってよー…。
「……とりあえず座るか。」
「うん…。」
あたしたちは壁にもたれるようにして座った。
「俺……杏に言いたいことある。」
「……っ。」
「……昨日、放課後莢乃に言われたんだ。それで、気付いた…。」
放課後……。
莢乃がしたことって、これだったの…?
莢乃……。
「……名前も外見も関係ない。中身を見ろって。」
「……。」
「そう言われて心が揺れた…。俺が今までしてきたことは何だったんだろうって思う…。」
「……。」