~風戸side~


杏と別れた日の放課後、俺はまた雅斗の家に寄った。


「大翔、いきなりどうしたんだよ?」
「悪い雅斗。あの卒アル見してくれないか?」
「卒アル……?」


頭に?を浮かべながらも、雅斗は例の卒アルを引っ張り出してきた。


「これか?」
「サンキュ。」


そしてケータイを出し、中学時代の……まだ杏月大翔だったときの杏の顔と名前が写るように撮った。


「何してんだよお前……。」


雅斗も俺の行動に驚いていた。


「……ってこれ…杏ちゃん!?でもなんで名前……。」
「偽名使ってたんだとよ。」
「はぁ!?…ってか杏ちゃん彼女だろ!?」
「ついさっき別れた。」
「……マジかよ。」


撮った画像を添付して、雅斗以外のアドレス帳に入ってるヤツ全員にメールを送った。


……チェンメの完成だ。


「あいつは俺をずっと騙してたんだよ……。まさか恨んでる張本人だったとはな……。……俺帰る。卒アルサンキュな。」
「あっ…おい大翔!!」


俺は雅斗を無視して雅斗の家を出た。