「……そう。ならいいわ。」
「……はい?」


……ごめんなさい。


主語をお願いします…。


「京月杏として楽しいなら、無理に元の名前に戻せなんて言わない。また京月杏としていればいいわ。」
「……いいんですか…?」
「ただし、チェーンメールの件は自己責任でね。」


京月杏のままでいいってこと…?


杏月大翔に戻らなくてもいいの…?


「あの…、退学とかしなくてもいいんですか…?」
「したいの?」
「い…いえっ!!」


理事長は暖かく微笑んでくれた。


「……行きなさい?待たせてるんでしょう?」


退学しなくていいんだ……。


京月杏でいていいんだ……!!


「ありがとうございますっ♪!!」


あたしは笑顔でお礼を言って理事長室を出た。