少し沈黙が流れた後、先輩が口を開いた。
「…お前さ、好きな奴とかいんの?」
はい!?
先輩が突然、そんなことを聞いてきて、あたしは正直焦っていた。
ここで好きって言ってしまえば、楽かもしれない。
でも…それで、もし振られて、先輩後輩の関係が崩れてしまうことが怖い。
なにより、先輩と話せなくなってしまうのがもっと怖い。
そんなの…絶対嫌っ!!
『…いますよ。先輩は?』
思わず、そんなことを言ってしまった。
先輩は少し悲しそうな顔をして、口を開いた。
「…いるけど…」
『…そうなんですか』
また沈黙。
そっか…
先輩、好きな人いたんだ。あたし、バカみたいじゃん。諦めきれずにまだ先輩のこと好きでいて…。
これって、先輩にとっては迷惑なんじゃないかな?
「…まだ気づかねーの?」
『…え?』
先輩は体を起こし、真剣な顔であたしを見つめる。
「…俺、
お前が好きなんだけど」
え?えぇぇえぇ!?!?!?
先輩、今…
『今…何て…?』