「奏枝ー!」
 
『あ、はーい!』
 
 
まだ眠気が残る体を必死に動かす。
 
今日はいつもより、一時間は早く起きただろう。
 
いつもなら、まだ寝てるのになぁ…。
 
そう思いながらも、名前を呼ばれて駆けつける。
 
 
「奏枝、ちょっとここの計算間違ってないか、たしかめてくれる?」
 
『はい!分かりました』
 
 
あたし、宮下奏枝(みやしたかなえ)。高校2年生。自分で言うのもなんだけど、頑張り屋!
 
みんなからは、いつも元気だね…なんて言われるけど。
 
あたしの通う高校、青春学園は、もうすぐ学園祭を迎えようとしています。
 
・・・実は、あたし、この高校の生徒会をやってまして…一応、書記。
 
時々、先輩に頼まれて会計をやったりもするけど。
 
 
なんであたしが、みんながめんどくさがるような、生徒会をやっているのかと言うと…
 
 
実は…この高校、そして生徒会のリーダーでもある、生徒会長が好きだから。
 
 
全然正当な理由じゃないけど、それでもあたしはあの人が好きなんだ。