今日、おばあさんに笑った様な愛想笑いでは無い事にいちばんびっくりしたのは、僕。


でもそれ以上に、千尋さんはびっくりしたようなリアクションを取った。



その顔が可愛くて、もっと見たくて、もっと笑いたくなった。

いや、笑っていたのかも知れない。


何故か千尋さんは、照れたように顔を赤くして下を向いてしまった。



「どうしたの?」

僕は不思議に思ったから、聞いてみた。



「…ゃん。」

「え?」


聞きとれなくて聞き返す。

「笑えるじゃん。可愛い。」




…反則。

「ちょっ、僕より照れるの、辞めてくれない?」



僕は恥ずかしくなって、照れ隠しに怒ったような口ぶりで言った。

多分今の僕は、千尋さんより赤いと思う。