逢いたい…?
僕に?
仕事以外で…僕に会いたいって、言ってくれたの?
「え…今はちょっと…」
『そっか…いきなり、ごめ』
僕は千尋さんの言葉を遮って、
「外でなら…駅まで来てくれれば、大丈夫。」
『ほんと?!』
僕も、いまは此処に居たくない。
何も聞きたくない。
落ち着ける、千尋さんの声しか聞こえない所に行きたい。
「うん。」
今日会ったばかりで、こんな事を思うのはおかしいのかな?
まだ、千尋さんの事を知って3時間も経ってない。
人と関わる事が無い僕に、この感情がなんなのか知る由も無かった。
駅の名前を教えると、『すぐ行く!』と言って、電話はまた一方的に切れた。