僕の身体を頭から爪先まで確認して「うんうん」と言うと、脱衣所の柔らかいタオルで僕の身体を優しく拭いてくれた。
ベットに座ると、小さな傷ひとつひとつ丁寧に消毒をしてくれて、絆創膏を貼ってくれた。
それから、備え付けの冷蔵庫から氷を5、6個取り出してビニール袋に入れて僕に渡した。
「冷やしな。女の子だし、顔だし、痕が残ったらもったいない。」
もったいないの意味はよく分からなかったけど、それ以上に意味が分からない事があったから気にならなかった。
彼は氷をくれた後、僕の隣に座って僕をその膝の上に置いた。
まるで猫か犬の様な扱いだったけど、今まで僕が受けてきた扱いは生き物ですら無い様な気がしたから、嬉しかった。
「軽すぎ。片手で持てそうだよ。それに、食べないから背も小さいんだよ。」
これも僕の事を想って言ってくれているみたい。
「いーの。食べても戻しちゃうから」