自分で言うのも何だけど、僕は顔が悪いわけじゃない。
人より大きな目と、特徴的な八重歯は母さんからもらった。

食べてないのに、拒食症の様な変な痩せ方はしていいないし、スタイルも悪いわけじゃない。と思う。

目と同じの色素の薄い髪の毛も、白い肌も
客が選ぶ様な要素を兼ねそろえていると思う。


母さんからもらった唯一のプレゼントは母さんの為に使っている。



母さんは服やアクセサリーを買う時、持っていった親父のカードを使うから
その支払いは僕がしている。
だから親父に金を渡しているんだけど。

僕が持ってきた金が全部その口座に入れられているかは、分からないけど。

有名ブランドの服や、高級なアクセサリーの価値は僕には分からないけど
母さんがこれ以上僕を嫌いにならないように、僕から言いだして決めた事だ。

母さんが買っているそれらの支払いを僕がしている、と
母さんが知っているかどうかは別として…










僕は普段なら10分もかからない様な道のりを、30分かけて歩いた。

2時間も経たないうちに、瓶の半分くらい一気に薬を飲んだせいか、
無くなる事のない喉の渇きと、気だるさで
思うように身体も頭も動かなかった。

途中、何回も車に轢かれそうになって、
建物の壁にぶつかったけど
ようやく着く事が出来た。



とことん、僕の身体は僕の言う事を聞きたくないみたいだ。