商店街の、おばさんが着るような服しか売っていない場所に
17の僕はとても場違いだと思う。

それでも、こんな恰好で居るよりは、と
僕は少し大きめの白いYシャツと赤と緑のチェックのプリーツスカートを買った。

靴は裸足にスリッパの様な、もう流行っていないサンダルだったけど
お金が足りなくなったら困るので、諦めた。



レジに居る店の主人が、驚いたようにみて来た。


「ろ、6千5百円です。」
と、遠慮がちに言った。

僕は「これで。」とさっき貰ったばかりの1万円と5百円玉を渡した。


「すいません、着替えていきたいんですが、いいですか?」
と尋ねると、試着室を貸してくれた。

すぐに着替えて、さっきまで来てた砂や血のついた服を捨てる。



これで、帰らなくてすんだけど
姿鏡に映った僕は、だぼだぼのYシャツでスカートがぎりぎりまで隠れてしまって
なんだか露出狂みたいだ。



そのままの姿で駅に向かって、いつもの980円の切符を買った。