いつもの様に、
「ねぇ、ご飯食べる?用意してあるよ?」
と声をかけてくれた。

僕もいつもの様に
「ううん。要らない」


僕がそういうと百合子さんは毎日少し寂しそうな顔をする。

ごめんね、百合子さん。
と口には出さないで言って風呂場に向かう。



食べないのを分かっていても、百合子さんは僕の分があるよ、と言ってくれる。

本当はめんどくさいだろうと思う。

親父からは、金と材料がもったいないからアレの分は作らなくていい。と言われているのを、僕は知っている。



本当に用意してくれているのかは分からないけど少しでも気遣ってくれる優しい百合子さんが、僕はすき。



いつもの様に風呂に入っていつもの様に水を飲んで、タオルだけで濡れた髪を乾かした。