『8時過ぎだったからそのすぐ後かな?百合子さんから電話が来た。俺には分かんないし、変わってあげられないし、俺には一生経験出来ない事だけど、分かってやれなくてごめんな?』


千尋さんが謝る事じゃないのに…
僕はなんで千尋さんに謝らせてるんだろう…


『怒鳴って悪かった。俺も同じ。父さんになれる自信なんてなくて、自分でも驚く程ピリピリしてたみたい。ゆーきは、もっと大変なのにな。』



初めての喧嘩…
千尋さんの怒りが、僕に向けられるなんて思わなかった。
僕もあんなに千尋さんにイライラするなんて思わなかった。

お互いに、神経質になってたんだね。

怒らせるまで、我儘言ってごめん。



『ゆーきが変わるって言うなら、応援するし、俺も変わらなきゃな。今日の俺、ほんとガキすぎた。ごめんな。』


千尋さん…
大人すぎるよ…



それだけ聞いておやすみ、と電話を聞いた。


本当は、千尋さんに抱き枕にされないと、おやすみのキスをしないと、なかなか寝付けない事も言おうとしたけど辞めた。

こんな我儘は、どうしようもないと分かっているから。


もう千尋さんを困らせたくない。

“頑張る”と言った僕が壊れてしまう。