「明日、婚姻届もらってくる。」


と千尋さんは言った。

僕はまだ未成年だから、親の承諾がいるのかな?
何にもわからないけど、父さんと百合子さんにはやく教えたいな。



「あと、『娘さんを僕にください』って良いに行かなきゃな」


千尋さんはやっぱり笑顔だ。



明日、店長にも言おう。
ハルにもちゃんと言わなくちゃ。

結婚式来てねって。



「式場も探さなきゃな。これから忙しいぞぉー!」


嬉しそうにはしゃぐ千尋さんをみてると、僕まではしゃぎたくなってくる。
一緒に喜んで、一緒に笑って、思い出を作り上げていく。


もう全部、こんな僕をすきだと言ってくれた千尋さん。



ずっと望んでた“愛される”事。

遠回りしたけど、時間をかけて知った“愛される”という事。

その人と同じくらい、自分も大事にしなくちゃいけない。
されたいなら、まず自分からする事。
確実に返ってくる愛をちゃんと受けとめる事。

やっと叶ったんだ。



時間がかかったけど、想像してたものとは違うけど。
想像よりも居心地が良い…。