約束なんてのは、表向きだけ。


「僕と…け、結婚……考えてくれますか?」



ただ、要望と本能に従うだけで…こんなに正直になれる。

何の偽りもない、僕の夢…。


ずっと考えて、貴方から言うのを待ってただけの僕は、怖かっただけだから。

千尋さんが言ってくれるのを待ってた。
はやく、はやく僕を貴方のものにしてよ…
僕はずっと待ってるんだよ?

なんて貴方の事を考えてるフリして、本当は待ってるだけだった。



でも、抑えきれないほどに大きくなってしまった“願い”は、僕から溢れた。



もっと困った顔を見せて?

僕の事で頭がいっぱいになればいい。


もっともっと僕でいっぱいになればいい。

もっと僕を見て…。
困って、笑って、泣きそうになって、

すき過ぎて苦しくなればいい。



「結婚指輪…?」


そう、もっと可愛い顔を僕に魅せてよ。