高い所に着いて、車から夜景を眺めた。


隠し事なんて、千尋さんらしくない…

その事であたまがいっぱいで、夜景に感動する余裕なんてないし…



「なんか不機嫌?」


千尋さんは静かな車内で言った。

不機嫌だよ…。
当たり前でしょ?

「隠してない」なんて言うなら、もっと上手に嘘ついてよ。



「どーだか。自分に聞いてみれば。」


僕は冷たく言い放った。

思った事は言う、なんて自分から言って置いてずいぶん無責任だな。




「ゆーき。」


ここでは、“思った事は言う”の約束は絶対みたい…。
前も似たような事で話した様な…

あの時は僕がないっちゃったんだっけ…。



「なに?」

千尋さんの方を向かずに僕は返した。