「ねぇ、お父さん、いつ都合良いか聞いといて。」
私情は一通り終えた。
今度は、ずっと待たせていた千尋さんのお父さんに挨拶しに行く時だ。
「あぁ、分かったよ。早めに決めておく。」
千尋さんにも、ずっと待てせていた。
やっと、自分の足で立てるようになった。
お待たせ、千尋さん。
お父さんに会う日は、今週末に決まった。
それまで僕はいつも通りにバイトに行って、いつも通りに家事をする。
千尋さんのマンションに帰ってきて、置きっぱなしだった日記をまた付け始めた。
まだ1冊も書き終えてないけど、表紙にはまだ幼い顔の僕と千尋さんが仲良く映ってる写真が貼ってある。
お気に入りの写真。
1枚1枚ページを進めて、思い出を巡るのは、僕の日課だ。
今日も、思い出が出来ました。
ありがとう、千尋さん。
今日もだいすきでした。
日記を付けて、布団に入った。
千尋さんと頭を並べると、シャンプーの良い匂いがして見つめ合う。