千尋さんと暮らしてから、1年も経つのに未だにキュンとしてしまう。
「あ…」
千尋さんが作ってたのは親子丼。
「僕も親子丼作ろうと思って…鶏肉…。」
「あはは!」
千尋さんは笑いながら、ほんとよくあるなー。と言った。
本当に僕と千尋さんは、同じものをよく買ってくる。
こんな風に同じ夕飯の食材を買ってきてしまうのなんて日常茶飯事だ。
その前なんか、見たいって言ってたDVDを同じ日に買ってきてしまって。
歯磨き粉が2個あったり、卵が大量になったり、
そんな事が、なんだか嬉しい。
一緒なんだなぁって思えるから。
「僕、野菜炒めでも作る。」
「うん。」
エプロンをして、千尋さんの隣に立って野菜を切る。
「どうだった?今日。」
「楽しかったよ。あ、母さんの写真貰ったんだ。後で見せるね。」
僕と千尋さんはよく会話するようになった。
コミュニケーションを取るようになってから、すれ違う事も無くなった。