聞きたい事は山ほどあった。

僕たちは色んな話しをした。


もちろん、母さんの話しもした。
母さんは、再婚相手に殺された、という情報は間違いではなかった。
その現場を見てしまったタツヤは、気がついたらその人を刺していて、自分で警察を呼んだそうだ。

警察には、母さんを殺したのもタツヤだと誤解されて、大変だった事。
保護観察の人はタツヤをかばってくれて、誤解が解けた事。
その男はすぐにつかまって、5年は出てこれない事。
少年院での生活。



母さんは僕の事を嫌っていなかった、とタツヤは言った。
これ、と渡してくれた写真には僕と母さんが映っていて、母さんがいつも持ってた、と教えてくれた。


「姉ちゃんに会ったら、渡そうと思ってた。」と、タツヤはその写真を僕にくれた。


ずいぶんと経ってしまったけど、会えてよかった。
タツヤに会えてよかった。




それから、タツヤが行ってた中学の話しを聞いて、僕の話しもした。

今はタツヤにも彼女が居るみたいで、充実しているようだ。



僕が千尋さんの話をしたら、とても会いたがっていた。