暦通りに休みを貰ってるタツヤ。
明日は日曜日だから、ゆっくり話せそうだ。
その日は朝から、タツヤの住む寮に向かった。
寮の前でタツヤと待ち合わせをしてあった。
僕に気付くかな?
僕はタツヤがわかるかな?
僕は寮の前まで行って、1人でぽつんと立っている男の子を見つけた。
「タツヤ?」
思い切って声をかけた。
「姉ちゃん?」
タツヤだ…
本物のタツヤ…
「久しぶり。元気?」
2つしか歳の離れてない兄弟が“久しぶり”なんて他から見たら可笑しいだろう。
「久しぶりなんてもんじゃねぇだろ…」
とにかく、タツヤの住む部屋に入れてもらって向かい合って座った。
「姉ちゃん、ちゃんと食ってんの?細すぎねぇ?」
「食べてるよ、大丈夫。タツヤは変わんないね…」
小さい時から、目がまん丸で女の子みたいに可愛い顔をしてたタツヤ。
そこらへんの女の子より、可愛い顔をしてる。
柔らかい、少し長かった髪は、短くなって男らしくなってる…
「で、何から話そうか?」