「ん、知ってる。はやく、ちーちゃんって呼び直せよ。」
「ん、ちーちゃんっ。」
千尋さんは本当に嬉しそうだった。
「あ、父さんは説得したから。後はゆーきの父さんに認めてもらうだけ。」
うそ…
「え…なんでっ…」
「俺はこれからの事、ゆーきとしか考えてないよ。」
千尋さんは「頑張った」と笑いながら言った。
認めてもらえたんだって…
また千尋さんのお影だけど、嬉しくてたまらない…
「また、挨拶にいかなくちゃ、ね。」
ちょっと怖いけど、前程じゃない。
隣に千尋さんが居る事が、おおきな自信になったから。
そこに、父さんと百合子さんと店長とハルが入ってきた。
「こんばんわ。」
千尋さんは父さんに頭を下げた。
父さんはにっこり笑って返すと、僕の頭に手を置いて「良かったな」と言ってくれた。