「……っ!」

「わぁっ」


千尋さんは少し僕を見ると、いきなり強く抱きしめた。
少し力を緩めて、また強く抱きしめた。


「千尋さん…、やつれたみたい…。痩せた?ご飯食べなきゃ…。」

千尋さんの顔は見えないけど…どんな顔してるのかな?


「うるさい…。お前に言われたくない。」


あ、そっか…
寝不足と貧血で倒れたんだっけ…。

「…眠れてないみたいね?」


千尋さんから離れて、顔に手を添えた。
クマ、出来てる…。

千尋さん、どうしちゃったの…?


「お前、ずるいんだよ。俺に黙って居なくなるんなら、俺の気持ち返せ。」

「…?何言って…」


千尋さんは泣きそうな顔をして、僕にキスをした。



「…っ!!」

千尋さん、千尋さん…
ずっと会いたかった千尋さん…

どんなにこれを望んだと思う?

誰にもわからない…



「千尋さん?」