今日もバイト。
9時に家を出て、電車に乗った。

雨が降っている。

雷が鳴って、空が光る。


いつものようにバイト先に着いて、開店準備をした。
雨の日は、新刊の本は外に出せないから棚を移動させて片づけをする。


今日は土曜日。
父さんが夕方に点滴を打ちに来てくれる事になっていた。

なんか今日は、目が霞んでる…



「優貴、おはよう。」

奥から声がして、振り向いた。


「ハル、おはよう。」


ハルとは店長の息子さん。
僕と同い年で、学校が休みの日は店の手伝いをしている。

「優貴、またやせたんじゃねぇ?顔色も良くねーし、無理すんなよ。」


ハルは僕をよく見てくれている。
学校に行ってたら、こんな感じなのかな、と思う。


「優ちゃん、おはよう。棚の移動なんてハルにやらせればいいから、レジの立ち上げよろしくね」

「あ、はい…」

店長は僕が此処に戻ってから、晴れの日も僕に重いものを持たせてくれない。
店長もハルも、僕を気遣ってくれる。



使えない身体に、動くように命令してレジに入った。




あれ…?
目、見えないし…