僕の為に生きる、なんて言っておきながら切る身体。
もう僕は僕を愛せなくなった。

誰かに愛してもらう喜びを知ってしまったから。



しまうまみたいになっていく僕の腕は本当に醜い。
深く切ったところは肉が盛り上がって、変な形のボコボコした腕になってしまった。



そろそろ、死にたいのに…



百合子さんもお父さんも心配してる。

涙が出るほど嬉しいはずなのに、僕は哀しみに浸っているだけ。
もう涙も出なかった。

どんなに痛くても、哀しくなっても、寂しくなっても。
涙は出てこなかった。




「よいしょ。」


昨日の夜から打っていた点滴が終わって、布団から出た。

1ヶ月間、ずっと考えていた事。



僕はふらふらの身体の起こして、壁に頼りながら親父の部屋に行った。

「父さん。」


僕が部屋の前でそう声をかけると、父さんは部屋のドアを開けてくれた。

「どうした?点滴は終わったのか?」


「うん。それより、話しがあるんだけど。」



僕は促されたソファーに座りながら言った。



「1人になりたいんだ。」