1人でうずくまって、しばらくして。
百合子さんが部屋に入ってきた。


「あの…、千尋さんが。」




千尋さんが家に来てる。

そう教えてくれた。


そういえば、此処を出る日に家の場所を教えたんだっけ…

千尋さんに買ってもらったもの、携帯すら置いてきたから此処まで来たのかな?



「居ないって言って。」


泣いてる僕に、心配そうな百合子さん。

黙って部屋を出て、千尋さんを帰してくれた。



千尋さんの車の音が、遠ざかるのが聞こえた。




千尋さん、ごめん…
もう、終わりにしたいんだよ。

母さんも亡くなって、千尋さんまで手放して…


生きる理由はなくなったけど




今度は僕の為に生きる事にしたんだ…。

そうすれば、だれにも迷惑かけなくて済むよね?



僕がしていた事で、父さんを苦しめてた。
それが、暴力という形で僕に返ってきてただけなんだ…