さて、大きい事を言ってきたから家には帰れない。

きっと今百合子さんに会ったら、泣いてしまうと思う。


それに親父は僕が家を出る時「その方が都合が良い」と言っていた。
僕がのこのこと帰ったら、また殴られるに違いない。

僕の中の親父の印象は、良くなった。
それを僕の手で壊したくない。




もう、不幸の順番なんだ…





僕は充分すぎる程の“幸”を噛み締めて、この4カ月間を生活してきた。

楽しかった分、時間が経つのが早かった。



“楽しい時間はあっという間”
“苦しい時間は長いもの”


今までの“不幸”は長かった…

同じだけ、“幸”が訪れてくれると思っていた。



平等にやってくるけど、それは同じ分ぼ同じ時間だけ。というわけにはいかないようだ。





それでも、この先にどんな“幸”が待っているんだと思うと、吹っ切れた気がした。





千尋さんは桜子さんと…

僕は他の誰かと…