千尋さんのご両親が向かい側に座った。
「君が片平優貴さんだね?」
千尋さんのお父さんが僕に話しかけてきた。
低い声…
千尋さんの優しいハスキーな声とは違う…
なんだか怖いな…
「はい、よろしくお願いします…」
僕は震える声で言った。
“僕”っていうの辞めた方がいいよね…?
「歳は?」
今度はお母さんの方が口を開く。
「あ、17です。今年で18になります。」
千尋さんのお父さんの顔がどんどん険しくなっていく。
はぁ、と大きなため息をついた。
「千尋、お前はこんな高校生と付き合っているのか?」
千尋さんはむっとした表情に変わった。
「いえ、あの…高校には行ってません…」
「何?」
さらに険しくなるお父さんの顔…
怖い…
親父よりももっと…
「今は本屋さんでバイトをしています。」
言わない方が良かったかもしれない。
印象を悪くするだけだ…