僕はそんなに分かりやすいのかな?

「でも今日はいつもみたいにあんまり嬉しそうじゃないわね?」と、店長は続けた。


彼氏の親に会うって緊張するものじゃないのかな?
僕は千尋さんが親父に会うって思っただけで緊張するのに、千尋さんは違うのかな?
今朝も別に普通だったし。


「実は千尋さんのお父さんに会うんです…」


店長は面白そうに話しを聞く。

でも、僕の気持ちをよく分かってくれる理解者だ。

「それは緊張するわよねぇ。」


僕は他人の目に、どう映るんだろう…

「店長。僕、初めの印象ってどんな感じでした?」


こういうのは考えてもわからない。
人に聞くのが一番早い。

「そうねぇ。初めは取っつきにくかったけど、今はだいぶ変わったわ。接客できるか心配だったけど、今の優ちゃんなら大丈夫だと思うよ。」


僕ってそんな風に思われてたんだ…
店長、よく雇ってくれたなぁ

「あはは…」と笑ってごまかす事しかできなかった。


今から緊張してたら、しょうがない。いつも通りに接すれば大丈夫。
と店長は行ってくれた。

入ってきた時に比べればだいぶマシ、と言われたのがひっかかるけど。
少しは社交的になれた、という事で。



そのままいつも通りに仕事をして、5時に退勤。
着替えを済ませて千尋さんを待った。