次の日。
料理教室の日でバイトは休みだったから、僕は千尋さんのお父さんに会う為に、4カ月ぶりの美容院に行った。

伸びた髪の根元は、色が変わってしまってみっともない。
毛先もばらばらで、格好悪い。


その日は料理教室を休んで、美容院の予約。

千尋さんが連れてきてくれた、初めての美容院に行った。


この前のお姉さんが、僕を担当してくれた。
髪の色を少し明るい赤茶色にしてもらって、胸くらいまでに切ってもらった。



「今日は、彼氏さんは?」

「あ、仕事なんです。」

そんな他愛もない話しをしながら、鏡の中の自分がどんどん変わっていくのを眺める。


「あの、お姉さんは彼氏の親に会った事あります?」


参考までに…

だって、僕の頭の中は不安でいっぱいなんだ。


「ありますよ。一番最初はドキドキしますよね。」

やっぱり、みんなドキドキするんだ…


「実は土曜日に会う事になったんですけど、何を着てけばいいのか、どう接すればいいのか、全く分かんなくて…」


「あぁ!それなら私に髪のセットさせてください!メイクもしますよ!」

「え、でも明日はバイトなので来れるのは6時頃になっちゃいますけど、いいんですか?」


お姉さんはにっこり笑って「いいですよ!サービスです!」


それから作業は終わって、また明日、と店を後にした。


千尋さんのお父さんとお母さんかー。