千尋さんと1週間の内、ずっと一緒に過ごせるのは48時間しかないけど、そのたった48時間で千尋さんは僕にたくさんの思い出を作ってくれる。
千尋さんの事を考えたり、写真を見ていれば、会えない時でも頑張れる。
毎日5時過ぎに本屋の前で待ち合わせして、一緒にスーパーに買い物に行くのが日課になった。
「ねぇゆーき。今度の土曜、俺の親父に会ってくれない?」
千尋さんは困ったような顔で言った。
「今度の土曜って、明後日じゃん!」
いきなり言われても、今から緊張しちゃう…
千尋さんのお父さんかぁ、どんな人だろう。
きっと千尋さんみたいな人なんだろうなぁ…
「あ、嫌ならいいんだけど。会わせておきたいって思っただけだから。」
「別にそうゆうわけじゃ。僕も会ってみたい。ただちょっと緊張するっていうか…」
心の準備が…
「大丈夫、親父は怖い人じゃないよ。」
千尋さん、僕とのコレカラを考えてくれてるのかな?
そうだといいな…
「あと。ゆーきのお父さんにも、挨拶しておかなくちゃな!ちょっと怖いけど」
千尋さんと親父が会うなんて、なんか変な感じ。
でも、今の親父なら会ってもらいたいって思える。
「うん。親父、変わったから。怖くないよ」
彼女のお父さんに会うのって、怖いのかな?
男の人って、そういうものなのかな?