軽く支度をしてからスーパーに行くと、もう千尋さんは待っていた。

「ごめん、待った?」

なんてドラマみたいなセリフを言ってみる。
すると千尋さんは、「ううん、今来たとこ」と言った。


どこに行こうか、って話しながら近くのファミレスに入る。

注文を終えて千尋さんが先に口を開いた。


「なにしてた?」

洗濯。と言って褒められた。
ガシガシと頭を撫でながら褒める千尋さん。

もう、せっかくとかしたのに…と照れ隠しする僕。


すると、マナーモードにしてあった僕の携帯が鳴りだした。

「鳴ってるよ?」

「いいの。」


実は昨日からずっと客から電話が来ている。
きっとこれもそうだと思う。

千尋さんも誰からの着信か察したらしく、こう言った。


「明日、休みとるから、新しい携帯を契約しに行こう!」


お客から連絡来るの、そんなに嫌なのかなぁ?
どうせ出ないのに。


「え、いいよ、悪いよ。」


僕が言うと千尋さんは笑って「ははっどっち?」って言った。