他にも、ピザの宅配や新聞配達、牛乳配達、なんてものがあったけど、朝早くからは千尋さんのお弁当を作り始めたら無理だし、バイクの免許も持ってないから諦めた。

早朝の方が時給高いんだなぁ。


この中で一番時給が良いのは居酒屋だけど、やっぱ酔っぱらったオジサンに絡まれたりするのかなぁ?
そしたら千尋さんは嫌がるかなぁ?


接客、僕に出来るかなぁ?

17歳になって初めてするバイト。
どんな事をするのかワクワクする反面、僕にちゃんと出来るのかドキドキしてる。

たくさんマークして、千尋さんが帰ってきたら一緒に見て、明日電話しよう。


そう思った時、千尋さんからメールが来た。

『昼休み会おう!スーパーに12時に居て。迎えに行く』

僕はうん、分かった。とだけ送った。


千尋さんの事を考えてる時にメールが来るなんて、なんか嬉しいなぁ。

一緒に居なくても僕を喜ばせてくれる千尋さんは、すごいなぁ…



僕はとりあえず着替えて、髪にクシを通す。

あ…

鏡の中の僕は、顔の痣がほとんど消えていて、瞼も腫れがひいていた。


薬、効いたのかな?

念のためもう一度、昨日と同じ所に親父から貰った薬を塗った。