袋に詰めていると、出口付近に求人誌を見つけた。
スーパーを出るときにそれを貰って、袋の取っ手を片方ずつ持って家に帰った。
「夫婦みたいだね…」
なんて千尋さんが照れながら言うから、僕も嬉しくなった。
家に着いて、千尋さんは料理を始める。
「僕も手伝う!教えて?」
料理なんてした事ないけど、なんにもしないわけにもいかないし…
「じゃあ、ご飯といでくれる?お米入れたざるをボウルに入れて水で洗うんだよ。」
全く知らない事を、千尋さんは丁寧に教えてくれる。
「水が白く濁らなくなるまで繰り返してね。」
さるを使ったから、お米はこぼさずに出来た。
「ここの2ってところまで、水入れて。あ、ちょっと少なめにね。」
千尋さんに言われた通りにやって、千尋さんは褒めてくれた。
炊飯器にセットして、千尋さんはサラダとスープを作り始めた。
僕はそれをじっと見ている。
やりづらいなぁ、なんて千尋さんは笑いながら、それでもスムーズに料理を続ける。
千尋さんって…
「千尋さん、お昼ってどうしてるの?」