電車は家のある駅に着いて、昨日ぶりのの商店街を抜けた。


家に着くと、百合子さんが僕を迎えてくれた。

「何処に居たの?孝治さんは?病院には行ったの?」


質問攻めをくらってる僕は一言だけ、「後で話す」と言って自室に入る。

荷物をまとめる為。
と言っても、服はあまり持ってないし必要なものはない。
私物と言えば、8着の服と歯ブラシ、携帯の充電器くらいだ。

それを大きめのかばんに全て押し込んで、部屋をでた。



まだ午前中。

千尋さんの仕事が終わるまで5時間と少しある。



百合子さんと話そうと思った。


「百合子さん。」

リビングに戻って、昼食の支度をしている百合子さんに声をかける。


「どうしたの?どこに行くの?」


少し話そう?、僕がそう言うと百合子さんは不安そうな表情でリビングの椅子に座るように促した。

百合子さんは紅茶を2つ淹れてから、自分も腰かけた。