今日は平日で、千尋さんは仕事。
暦通りの出勤らしい。
僕は病院。
親父に会うのは怖いけど、いくらなんでも病院では手を挙げないと思う。
千尋さんはすごく心配してくれた。
一緒に家を出て、また合流する事にした。
一緒に住もう、家に帰らせたくない、心配。と千尋さんは何度も言ってくれた。
どれ程、僕を想ってくれているのか分かった。
家を出るときに、千尋さんの“行ってきます”と僕の“行ってきます”、2回のキスをした。
それだけで嬉しくなって、顔が緩んでしまう。
少し早めに家を出て、千尋さんは病院まで送ってくれた。
「本当、気を付けて。何かされたら、すぐ跳んでくる。」
僕の手を握って、千尋さんは言った。
千尋さん、千尋さん……
僕もきっと千尋さんに負けないくらいに、千尋さんの事を大事に想ってるからね………