こんな話するのも、する気になったのも、千尋さんが初めて。


「でも、僕は誰かに愛されたいから生きてるんだ。」



愛されたい。

僕にだけじゃなくて、僕以外の誰かに。



「俺は」

僕と同じ方を向いて、それまで黙って話を聞いてた千尋さんが口を開いた。


「本当は次会った時に言おうと思ったけど、」


千尋さんは、僕をどこまで想ってくれるだろうか。



「俺は君が好きなんだ。」




ずっと望んでいた、誰かからの「愛している」