なんて楽なんだろう…。
そんな風に思っていられたのは電車の中だけだった。
お客に会った僕は“その気”にはなれなくて。
「初めてなの?」
客はベットの傍で服を脱ぎながら言った。
少し、挙動不審…
顔が腫れてる僕を引いてるみたいだった。
あんたが初めてなんじゃない?
法を犯すのにびびってるんだ、だっさ…
なんて思ったけど、、僕もびびってる……
手の震えが止まらない。
「じゃあ…」
お客はベットに上に座って僕を待った。
…嫌だ……。
こんな奴に抱かれたくない…
「やっぱり、やだ…」
僕は声を振り絞って言った。
「はぁ?」
お客は状況がよく掴めていないようだった。
「困るよ、お金はもう渡してあるんだから」