気付いたらもう2時で、僕は支度を始めた。
千尋さんを想って眠りについたから、隣に千尋さんが居なかったのは寂しかったけど。
昨日会った人。
居ない生活が当たり前だった。
それで、平気だった。
大丈夫。
僕は今日も、ちゃんと僕だ。
邪念を頭から消すために、僕はいつもの様に弱い風邪薬を多く飲む。
おもむろに1階に降りて、シャワーを浴びた。
いつものように、百合子さんは話しかけてきて、僕もいつもの様に返事をした。
百合子さんは「明日は病院に来るように、って孝治さんが。」と教えてくれた。
点滴の日だ。
僕は、まだ1週間しか経ってない…
そう思った。
いつからか、時間が経つのが遅くなった。
僕は一生懸命動いてるのに、時間は進まない。
どのくらい“一生懸命”すればいいんだろう……
だって、この前の点滴から、もう、1カ月も2カ月も経ってる気がする。
遅いなぁ