いつの間にか見惚れてて、起こす事なんて忘れてた。
雰囲気は大人なのに、顔は子供みたい…
世の女性たちは、ほっとかないだろうなぁ…
怒られるのも、殴られるのも、この顔を見れれば我慢出来る。
この人の傍に居れるなら、何だって耐えられる。
本気でそう思った。
千尋さんを見てたら、なんか愛おしくなって
僕は寝顔にキスをした。
自分からの、初めてのキス…
千尋さんにあげた。
千尋さんは「ん…」と言って、切れ長の目を開いた。
キスした事がばれたみたいで、見惚れてた事がばれたみたいで、僕は赤くなった。
「おはよう」と笑顔の千尋さんが言った。
ドキドキしてる心臓が千尋さんに聞こえない様に、僕も「おはよう」と返した。
千尋さんは寝ぼけてるのか、僕をぎゅうっと抱き絞めた。
「ちょ、千尋さん…」
そんなにくっついたら、心臓の音聞こえちゃうって!
「んん…」
千尋さん、意識しっかりしてない…