僕はゆっくり目を覚ました。
本当に寝ちゃってたんだ…
嫌な夢見たな……
隣には千尋さん。
抱きしめられてる体制のまま寝ていたみたい。
僕は千尋さんを起こさないように首だけ出して、目で時計を確認した。
終電の時間が過ぎていた。
「あ゛…」
まずい…
怒られる…
起こすのは可哀想だし悪いけど、送ってもらうしか帰る方法はない。
きっと千尋さんは送ってくれると思う。
「ち…」
僕は急いで身体を起こして、千尋さんの方を向いた。
隣ですやすやと寝息を立てて寝ている千尋さん。
やっぱり起こすのは辞めた。
だって、すっごく可愛い…
年上なのに、子供みたいに寝てる。
まつ毛、長いなぁ…。