私は唖然とした。
そしてガッカリした。
ちゃんと2人の話だって考えてほしかったから。
友達を巻き込むのは止めてほしかったな。
だから私の答えは決まっていた。
絶対に友達からは受け取らない。
そう決心していた。

その友達は将斗って言って仁哉くんとも私とも仲がいい子なんだ。
だから私自身も信頼していた。
信頼しているから言えることもあるの。
だからね私言ったの。
「絶対に仁哉くんから返してもらわないとダメだから。将斗は仁哉くんから絶対にノートを受け取らないで。お願いだから。」
そう言ったんだ。
そしたら将斗は
「分かった。仁哉くんに言ってくる。」
そう笑顔で言ってくれた。
私を安心させる笑顔だったな。

でもね……その安心感はすぐに消えた。
将斗が言うには
「そんなの絶対に無理。返すくらいだったら捨てる。」
そう仁哉くんは言ったらしい。
びっくりしたよ。
交換ノートは私が買った物で仁哉くんの物じゃないの。
それなのに捨てるって……意味が分からない。
人の物を勝手に捨てるの?
ありえないじゃん。

結局その日返してもらうことはできなかった。
もう返事なんかどうでもいい。
だから私に返してよ。
白紙でもひどい言葉を並べられていても…どちらでもいい。
嬉しいこたえなんか期待していないから。






だんだん好きだった仁哉くんじゃなくなっていく。
それが怖くてしかたがなかった。