でも
まだわたしは自分の気持ちを伝えてないんだ。
好きなのに…
本物になりたいのに…
言ってないじゃん。
だから
ちゃんと………
ちゃんと言わなきゃ。
もう付き合えないって分かってる。
無理だって分かってる。
でも
自分に素直にならなきゃだめなんだ。
わたしは交換ノートにペンを走らせた。
“仁哉くんの気持ちは分かったよ。”
そぅ書いたけど
本当は分かってなんかないよ。
だからこそ
“わたしは本物になりたいと思ってたよ。仁哉くんのこと本当は好きだよ。大好きだよ。困らせてごめんね。”
そぅ書けたんだよ。
書くだけ書いたら
スッキリした。
そりゃあね
まだ不安はあるよ。
でも自分の好きな子を信じなきゃ。
きっと仁哉くんなら
結果はダメでも
わたしの気持ちは分かってくれると思うんだ。
そう思いなが
その日は眠りについた。
そして次の日。
いつもと同じように
仁哉くんに交換ノートを渡した。
でも
まだ仁哉くんの顔はかたくて
わたしには笑顔をむけてくれないんだ。
でも
自分の気持ちを書き綴ったノートを渡せてスッキリしたのは確かだった。
でも
わたしは
まだ甘く考えていたんだ。
これからのことを…