それから3時間ほど経ち、佑斗が帰ってきたかと思えば、真っ先に晴彦に会いに行った。
絶対に、何かあったよ。
どうせ、聞いても教えてくれないだろうから、こっそり盗み聞きしに行こう。
そう思って、二人が入って行った部屋に近づこうとすると、
「待ってください。若姐さん」
組員の一人に捕まった。
「えっ?」
やましい事をしようとしていたからか、過剰に反応してしまう。
「今は、若旦那が話し中なので、こちらには来ないでください」
淡々と言われ、ちょっとムっとした。
どうせ、佑斗命令だわ。
「ちょっと、通りたかっただけよ」
我ながら、苦しい言い訳。
「どこに行かれるんですか?」
「どこって・・・。どこでもいいでしょ!!」