「ここです…」

そういわれ連れて来られたのは、ある一つの部屋だった…

「中へどうぞ…」

「…はい、ありがとうございます…」

―――私は、部屋に入った...

そして、お母さんと思われる遺体の傍へ行った...

「……お母さん?」

お母さんはまるで、眠っているかのような顔をしている

まだ、起きているような感じがした……

―でも、それは顔だけ…

顔から下は...

皮は抉れ、焼き焦げていた...

「お母さん…?お母さん!起きてよ…!ねぇ!お母さん!わたしを置いて行かないでよ!目を開けて!お願いだから...!」

悲しいはずなのに...

どうしてか...

涙が出て来なかった....

――ねぇ…

お母さん...


本当に死んでしまったの?

優しくて、大好きなお母さんは…

もう...

居ないの?


お母さん…!

「なんで…?なんで...私なんか助けたの…?私なんて助けなくてよかったのに…お母さんが無事なだけでよかったのに…
お母さん…わたしを置いて逝かないで...」


私...

いい子じゃなかった…

お母さんみたいになにもできない…

――なんで…?

なんで...私を助けたの…?

―お母さん!
やだよ!

お母さんと別れるなんて....!